神保町花月 「空蝉」

クレオパトラの長谷川さんの処女作です。クレオパトラの単独に行ったときに、長谷川さんの作るコントの世界観がとても好みだったので楽しみにしてました。若干クレパト主演に心配がありましたが(笑)脇がカナリア野性爆弾と聞いて期待が膨らみました。
ひねくれた観客だと思うのですが、安達さんの演技がとても好きでした。実際に生徒に手をかけたところの豹変振りも良かったのですが、それよりも物語の序盤に「少女」の良さについてそれが当たり前のことのようにつらつらと喋っている、ナチュラルな変質者描写が上手すぎて鳥肌が立つほどでして。「頭蓋骨〜」の時も思ったのですが、安達さんのサイコ的方向にスイッチが入ったときの演技がとても好みです。あとはスリムクラブの真栄田さんですよ。なんでしょうね、あの存在感は。ラストひとつ成長した主人公を本当に暖かい目で見守りながら、ふっと桜の花びらを吹いた瞬間なぜかじーんと感動してしまい涙がぽろっとこぼれてしまいました。本当あのシーンは絶妙に綺麗だったな。野性爆弾は初めてお芝居しているところを見たのですが、良いですね。ロッシーは正直何言ってるのか分からないところも多々あったんですけどね。なんと言っても川島さんですよ。あの人の遊びと真面目さのバランスの良さって、なかなかないと思います。遊びながらも全体の枠組みからはけっして出ずに、芝居を壊さずに楽しい。なんて素晴らしいのでしょう。これからも野爆は神保町で見てみたいなと思います。桜の季節に、ほんわかするいいお芝居でした。