しずる単独ライブ『るつぼ』

直前に、若干しずるに対して残念に思える出来事が起きてしまって迎えた初の単独。大きな期待と、若干の心配を胸に見に行ってきました。実を言うとチケット発売ギリギリまで「どうしようかしら?」と悩んで、でも行ってよかったです。


前説は少年少女。しずるの感謝祭と題しまして、大じゃんけん大会。商社にはしずるのサイン色紙のプレゼント。そして3位の方には少年少女のサイン色紙をプレゼント。丸型色紙の中央に「目指せ!甲子園」と書いてあるもので、しずるよりこっちがいいなぁと思ったのは内緒。

□コンセント
■OPVTR
□県大会決勝
■しずるの抜き打ちお宅訪問〜池田編〜(V)
□お見合いな4人
■舞台裏(SE)
□game man
■しずるの抜き打ちお宅訪問〜村上編〜(V)
□なんなの?
ボクシング/ハイジャック/美容室/球審
読書/この季節になると#1〜#3/なんなの?
■かくれんぼ(SE)
□回る春
■101回目のプロポーズ(V)
□平日デー
■「遊」(V)
□オフステージ
□まこととトメ

終わってみれば、初単独らしい気合の入ったコントの数々。2時間がとても凝縮されていて、満足感で溢れる単独でした。
最初の『コンセント』の時点で、これは期待が出来るぞと確信。ちょっとラーメンズ的な笑いで、おしゃれ。さくっとオープニングにお似合いなコント。初っ端からいいですね。
もっとテレビでのしずるのイメージに近い、今回で言う『回る春』のようなものが多数を占めるのかと思いきや、そうではなくいろんなしずるが見れたなと。
『県大会決勝』は序盤で形成が逆転したと思ったら、そこから雪崩のように池田さんのキャラクターが崩壊する様がたまらなく好きで。本当に池田さんの演技力には目を見張るものがありますよね。「お前には卓球しかねえ」といわれて納得しちゃう感じとか、女の子への接し方の対比がくっきりなところとか。
『お見合いな4人』はある意味斬新。コンビで、その人数以上の登場人物の出るコントをするのは見たことあっても、それをフリップでまかなうとは。なんだかんだいって最終的にはゲスいネタっていう。このときに、わー凄いなぁって思ったのが、池田さんのタイミングの絶妙さ。フリップをめくってからの、それに対するリアクションのタイミングがこれでもか!ってくらいばっちりで驚きました。
『game man』も結構好きだったなぁ。特に「良い池田」「悪い池田」が出てくる前、「ぐちゃぐちゃやんないで」って発言。完全におかしい人だったのにその後のあの展開!
『なんなの?』は本当に一つ一つが「なんなの?」で。特に好きだったのが「ハイジャック」。なにこの不条理感。そして爽快感。すぱっと終わらせながらでもものすごく「なんなの?」って思いだけは漂わせる感じ。いろんな人の単独で、いろいろなショートコントの形は見たけれど、一番「???」が頭に浮かんだかも。ハイジャックなんかは面白いけれども、ちょっと怖いくらい(笑)
『回る春』は最初に書いたとおり、短縮したらレッドカーペットでできるネタ。これは言い回しを楽しむコントですよね。今回も「ゲロが飛ぶ」「三半規管の向こう側」等々良い感じの言い回し多数で。
『平日デー』はザ・シュールって感じでたまらなく好きでした。「ひま」だけでたんたんと進むこの感じが、見ているこっちも麻痺してくる感覚。たまらないです。特に「暇体操」はやばかったです。
『オフステージ』これはそんなに好きな感じではなく。
『まこととトメ』壮大な長編コント。良い話なんですよ。笑いはもちろんだけれども、無理なくどんどんいい話になっていって。特にトメがまことに、気持ちを偽ったまままことの前から姿を消して手紙を残したシーン。そして、その後偶然街で再会できたシーン。ちょっとうるっとくるくらい。そんな中でのあの大オチ。最高です。カリカの遺伝子を継承しているなぁってここで実感。そして、この長編コントを見て村上さんの書いた本で神保町花月出来そうだなぁなんて思ったり。


コントとコントのブリッジは、映像ありSEコントありでこれまた充実。「しずるのお宅訪問」の池田編はもうカオス。ETが!ETが!村上編はあざといなぁと思ってしまうところもありつつ、でもだんだんとそれが恐怖に変わる感じが凄くて。極めつけのあの村上さんの表情。「知りすぎちまったようだな」といっているときのあの目の冷たさがなんとも。あと、池田にストパーを掛けさせてみようという趣旨のVTR。さ、いざ美容院へ!の寸前でダンボーラー風の男に1万円を奪取された後の、しずるの表情の秀逸なこと!一番好きだったのはSEコントのかくれんぼ。村上さんがモンスターになったことよりも、小さい村上さんが大量発生したことよりも、その小さい村上さんを「潰す」という手段で逃げようとした池田さんが何より怖い。そして食べられちゃったって・・・。


初単独とは思えないほどの完成度の高さ。相反して初単独らしい気合の入ったコントの数々。見終えたあとは満足感のみという清清しさ。ひとつ残念なことがあるというのならば、まさかの池田さんの喉の潰れっぷり。どんだけ練習したんすか?ってくらいキワキワだったんでしょうか?本当そこだけ。全コントをパーフェクトな状態で見れなかったのだけが残念です。でもそれを含めても120%の満足感。
そうなるとここから3ヶ月間の謹慎が本当にもったいないなぁと。3ヵ月後に、心入れ替えたしずるのコントを見れることを楽しみにしてます。