新感線プロデュース いのうえ歌舞伎☆號『IZO』

號『IZO


作:青木豪
演出:いのうえひでのり
出演
森田 剛 / 戸田恵梨香 田辺誠一 / 千葉哲也 粟根まこと 池田鉄洋 山内圭哉
逆木圭一郎 右近健一 河野まさと インディ高橋 礒野慎吾 吉田メタル 
中谷さとみ 保坂エマ 村木仁 川原正嗣 前田 悟 他
木場勝己 / 西岡徳馬

ネタバレしてます。
巧く感想がまとめられないので。
・主役の森田さん。あまり期待してませんでしたのに、最後30分は彼に泣かされっぱなしでした。第一声から声がひょろひょろになってて、大丈夫なのか?と思ったのに、時が経つにつれその声が以蔵にぴったりに思えて。
・最高に素敵な席で見たおかげで、表情の演技まで堪能。森田さんの目が、良い感じで野良犬、狂犬で凄く良かった。
・以蔵の持つ、純粋だけれども本当に頭が悪い感じが森田さんに備わってて*1当たり役だなと。
・おみつとのままごとの三々九度。これまでのお互いの想いとか、愛情とかががんがん伝わるのに、どちらも幼さを醸し出しているくすぐったさ。そして、その後の悲劇をわかっているからこそ嬉しそうに酒を飲む二人の表情に釘付けになる。ここ一番ぐっときました。
・ラスト、マンサクの花吹雪の中立つ姿は処刑前とあってものすごくみすぼらしいのに素敵に見えたのはJマジック?
・おみつの戸田恵理香さん。舞台初出演でしたっけ?テレビで見る限りはとてもハスキーボイスなので、これ舞台でどうなのよ?と思いましたけれどもいいですね。上にも書きましたけど、婚礼のままごとするときの表情が素晴らしいです。また舞台出て欲しいなぁ。
・田辺さんは最初わからないほど、イメージとは違う無骨な先生で。でも自分を師と、天と仰いでくれる以蔵を人とも思っておらず犬として扱う残忍さが端正な顔と相まってより残酷に。
・捌きを受けている最中に、以蔵に「自分も犬であった」と「天に動かされていただけだった」と気付かされたときのあのすがすがしいまでの表情で少し救われました。
・山内さんは色っぽかった。お笑いは全くと言っていいほど関わらず。その分色気満載。以蔵と共に恐れられていた「4大人斬り」の一人のはずなのに、以蔵とは持っている雰囲気がまったく違う。賢さと強さがとても良く見えて惚れ惚れするほど。特にあらぬ嫌疑を掛けられて、自害するときのあの色気は何なんでしょう?はげやのに。普通にエロいのに。
・心躍らされたのはイケテツ!!坂本竜馬ぴったり!京の花町で芸者と共に踊って登場よ。そのダンスがまた軽やか。笑いどころは彼にかかってましたしね。途中ではぼっろぼろのいでたちで、みんなから臭がられてしょぼんとしてみたり。そんな笑いも担いながらも、ピストルをぶっ放すときはドキリとさせられ。ああこの役者はどれだけの素敵な顔を持っているのでしょうか?
・西岡さんは納得のどっしり感。
・木原さんは新感線においては珍しい、引いた芝居で逆に引き立ち。
・粟根さんは勝海舟よりも、さらし首を見に来てあわあわする町人ガヤのときのほうが私は好きだったり。
・新感線の女優はやっぱり色っぽくってどうしようと思ったり。
・最終的にこの芝居、DVDになったら欲しいなぁ。

*1:ものすごい失礼を承知で、でも褒めてます。そんな雰囲気ってことですから。