NYLON100℃ 33rd SESSION「神様とその他の変種」

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:
犬山イヌコみのすけ峯村リエ大倉孝二
廣川三憲、長田奈麻、藤田秀世植木夏十
水野美紀山内圭哉山崎一

こんなに3時間が短く感じたことはないってくらいな時間経過にびっくりしたこの作品。ケラさんなんだからそんな単純じゃないだろうと思いながらも、なんども見ているこちらの頭の中をひっくり返されてそれがとても心地良い裏切りだから困ってしまう。峯村さんのとっても静かな狂気に圧倒され、とても女性らしいヒステリックさを見せる犬山さんに自分の中の嫌な部分を突きつけられた気がして。山内さん演じる父親の行動に同情は出来ないが少し理解できてしまう自分に嫌になる。大倉さんのピュアというには大きすぎ、他人の家に土足で入る無神経さに怖くなる。でもとっても大倉さんらしいと思ったのはヒミツ。みのすけさんの11歳という配役に驚いたのは、パンフレットを見たときだけで出てきた瞬間から11歳にしか見えなかったことに脱帽。この役はみのすけさんにしか出来得ない役柄だろう。植木さんのおばあちゃんは最初だれだか分からず。長田さんのいるよねーこんなご近所さんな感じにじとーっとした嫌悪感を感じた。
とにかく映像が素晴らしすぎるナイロンの公演。映像を見るだけでも価値がある。最後の演出は真意まで汲み取れた自信はないけれども、とても印象深かった。