神保町花月『本番いきます！』

笑い

作･演出：宮地謙典（ニブンノゴ！）
出演：
ピクニック/ミルククラウン/パンサー/シューレスジョートレンディエンジェル
レイザーラモンRG　他

リーダーの脚本を見に行くのは初めてでした。楽しく、ハッピーでポップな本という評判を聞いて楽しみでした。会場の折込パンフ見るまでは誰が出るのかちゃんと把握してなかったので、RGが出演とあって嬉しかったです。
あらすじは上手くまとめることが出来ないんで省略します。


ピクニックは今回もちゃんと信頼と安心でした。でもいつもよりなんか楽しそうだった。ブログでもずっと楽しいって言ってるのが印象的で、舞台で見てもそれが溢れてるってドンだけ楽しいチームなんだって。売れっ子アイドル俳優の役だったんだけど、ちゃんとそう見えてくるんだよね。ピンチの時に「あっ」ってひらめいて、アイドルってことを最大限に生かした対処をするシーンでのひらめいた瞬間のいたずらっ子のような表情が本当に子供のようで可愛いんだ。ヤクザの役作りの為にちょいちょい無理して威嚇してみたりとかも可愛らしい。シューレスさんがマネージャー役なんだけど、この２人の関係性がスターと育ての親って感じの信頼感とかがじゃれあう中ににじみ出てて本当ほのぼのしちゃいました。ピクニックはちょけた演技もしめるところはびしっとしめる演技もどっちもできちゃうんだから凄いなー。
シューレスさんは最後の最後にものすごい美味しいところを持ってって、最高に格好いい役立ったなー。暗転したらヤクザがどんどんやられてくなんてずるい。「喧嘩はリズムだよ、リズム」の言い方が、昔のやんちゃしてた頃の面影をちょこっと見せる上手さがあって素晴らしかったな。もっともっとシューレスさんの演技が見たいななんて思ってたら、５月のクレパト長谷川さん脚本はシューレス主演ですって。今から楽しみです。
ミルククラウンも神保町で見る安定芸人の一人ですから。また今回も２人ともええ役で。ジェントルの殺し屋Jははまり役立ったなー。冷酷冷淡な殺し屋じゃなくて、「今大きな仕事終わったばっかだからやりたくないなー」とか言っちゃう、ちょっとちゃらけた殺し屋なのがぴったり。あのなよっとした感じが殺す瞬間ガラッと変わるのが良かったです。今回はこれに加えて、今まさに殺そうとしているのが大ファンの俳優と分かった瞬間の表情と、「でも依頼主には逆らえない」と再び殺そうとするも一平に「お助けカード！」って言われた瞬間また困っちゃうこのくるくる変わる表情が凄く良かったです。
竹内さんは劇中で「中・高と演劇部だったんで」って台詞がぴったりくる、今回もまさにどこの役者さんですか？な仕上がりでした。下半身が不自由になった兄の為に、医療器具を研究し続ける医学生役がなんかはまるんですよね。兄の怪我の原因となったヤクザの闇金に金を借りに来ちゃう感じも良かったし、一平を助けるためと一芝居うって成功して安心してへなへなしちゃう感じも。またミルククラウンの主演作が見たいですね。
パンサーは今回配役が絶妙でよかったです。いつも謎な役柄だったりする菅さんが、ヤクザに向いていないのに昔助けてもらったヤクザに憧れてこの世界で頑張ってる感じがぴったりで。また菅さんとRG扮するヤクザの幼馴染な感じが、現実ではRGと菅さんって！てなるのになぜかしっくり来ちゃうし。菅さんの口下手な感じが、ヤクザらしくないヤクザらしくて本当に良かったなーって。
向井さんは敵対する強硬派のヤクザ事務所の組長。竹内さんに「こども組長」って呼ばれているのはぴったりすぎて笑ってしまいました。確かに幼い。でもその幼い顔と、チュッパチャプスをずっと口にしているという人が、冷酷な顔で手段でじりじりと追い詰める感じが良いギャップを産んでて本当に良かったです。向井さんはLLR単独での茶番劇でもヒールを演じててはまり役立ったんで、今度めちゃめちゃ冷酷な役とかやってほしいなー。
尾形さんは斉藤さんとコンビで、オーディションに落ちまくってる新人俳優。基本的に幕間芝居だったからなー。斉藤さんは本当上手いからもっとちゃんと見たい。尾形さんはこれまで神保町で見たときはがっつり主演とかだったから、こういう遊びだらけの時はどうだろうって思ったけど・・・がっつり芝居のほうが好きです（笑）
トレンディエンジェルのたかしさんは彼にしか出来ない役。役的にはそうでもないけど、キャラが完全にヲタだったんでね。単体ではそうでもなかったけど、エンディングにRGとコラボしたヲタ芸が面白すぎた。
で、RG。RGはずるい！アンケートには「RGはやっぱり天才だと思いました」と書き残してきました。それくらい凄かった。演技はやっぱり上手いんですよ。菅さんの組から向井さんの組に寝返って、これまでも仲間を脅したりする演技も上手いし。大ファンである一平からまさかの電話を貰ったときの、嬉しすぎで気持ち悪くなる演技も最高だし、幼馴染と和解する演技もばっちりだし。なによりモノマネショーとして、F-1の曲と女子十二楽房を口楽器で演奏しちゃうのが。特にF-1の時前奏長すぎなのに全く折れない強心臓。RGのこのネタ見れただけでも見に行って良かったです（笑）


最終的にRG絶賛な感想になっちゃいましたが、温かくて面白くて楽しいお話でした。劇中でコールアンドレスポンス的な、歌わないと次に進まないよ的なくだりもあったり。なにより作者の宮地さんの笑い声が響く会場なのが面白くて良いお芝居でした。