カリカコント+MEETS

カリカ
小松利昌/中野久美子/福田転球/加藤啓
パンチ浜崎/コッセこういち/小栗由加

1月に素敵なコラボレーションを見せてくれたカリカが、その時の約束通りまた新たな役者さんを迎えての化学反応を見せてくれるこのコントライブ。近頃飽和状態の自分の中で、久々に「心待ちに」したライブでした。

■助監督の鷹田鷹夫君(+MEET 小松利昌)
急病のため、急遽監督が交代されることになった「豚の真珠湾攻撃2008」。その主演俳優(元テレ東アナウンサー)と助監督(ハリウッド修行済み)との顔合わせの日。この映画の最大の見所は『豚語』。「豚語」に翻弄される主役と、「豚語」によって意気投合する監督と助監督。


最初は林さん演ずる鮫島の演技に夢中なんですよ、ある意味。「あーあ、上なんて向いても幸せなんて落ちてこないか」の『落ちてこないか』のマイムだったり、「って、お前かよ」の綺麗な後ろへのジャンプとか。それが完全に鷹田くんですよ、途中から。ま、最初の「おねがいしまぁっす」とかちょいちょい、「ん??」ってところはあるんだけど。ベアー監督との終盤の豚語での日常会話から、トリュフ探しまで怒涛。そして監督のキャラの変わりように、すこんと心を持っていかれました。目の前で繰り広げられる豚語の数々、ものすごい迫力だった・・・。
■NO SEX NO AIDS(+MEET 中野久美子)
目覚めると知らない場所に、見知らぬ女2人。女は「あなたは試されている」と繰り替えす。部屋から出られる方法は「どちらかとセックスすること」。ただし2人のうち、1人はHIV感染者であるということ。


中野さんの美しさと、時折見える幼さがぐっとこのコントを淫靡なものにしていたなぁ。1回目見たときは、完全に林さんの目線で謎に翻弄されて見終えたあと、ものすごくしんどかった。一緒に苦悩しちゃって。2回目はなぜか「清子」ちゃんから目が離せなくなって。ものすごく細かいのね、設定。家城さんくらいしかあのキャラクターを愛らしく*1演じられる人は居ないんじゃないかと思うくらい。というか家城さんのああいう役柄が好きなのかも。あの外見でゲゲゲの鬼太郎歌われたら、もう。
■価値感庁(+MEET 福田転球
日本にある全てのものの価値を管理している「価値感庁」。日本の価値観が下がってしまったため、緊急招集をかけられた男とたちの一晩の話。そしてそれぞれの家族の話。


これ一番好きでした。前回のMEETSでも思うツボってくらい泣いてしまったんですが今回もぽろりとこぼれてしまいました。笑いと切なさの緩急のつけ方がなんてうまいんだろう。話の内容もさることながら、今回は転球さんにぐっと心もっていかれました。切ない顔がたまらなかった。1回目見たときは、林×転球の組み合わせでぼろっと来たんですけど、2回目は家城さんの「お疲れ様でした」にものすごく尊敬と親しみと感謝が見えて来てたまらなかったです。
■壊れたブレーキ(+MEET 加藤啓)
ある日突然見知らぬ男に自宅に居座られている男と、そこに連れてこられた男。この3人の男には想像もつかない関係性があって。理性をなくした人間の怖さの話。


個人的に一番好きな感じの啓さんの演技だったので満足。最初に見たときには、あんなに残酷で、卑劣で、残忍な行動が後半こんなににも楽しくなるんだと。そして過去と現在がリンクしていく演出がとても好きで。3人の関係性が分かるまで本当に怖くて、苦しくて。でも分かった瞬間から、ほっとした以上にあきれて楽しかった。毎日お任せだったというモノマネ。役者の無茶振りは凄いですね。モノマネっていってんのに「ちくわ」って。形勢逆転してから、やり返されてもいいのに優しいお題の「近藤真彦」でえっらいマッチを披露するなんて。ずっとホモのゲイナイト的パーティーと勘違いしている家城さんが緩衝材としていてくれているから楽しく見たけれど、相当ヘビーな話だったなぁ。その分、オチの衝撃ったら無いけど。


□舞台の転換中は、浜崎・小栗・コッセによるゲイと、お嬢様と羊ちゃんの可愛い恋のお話。3本目から4本目の、告白の話がとても素敵でその前のコントのテンションも引きずってるから一日目は普通に浜崎羊の告白で泣いてしまいました。不覚。パンチで泣いた、不覚。コッセ君のゲイは本当に最低なんだけど、最低に見えないなぁ。


本当に素敵で濃厚なカリカを堪能させてもらって、幸せです。今年はこれでコント見納めなのが、残念で仕方ない。でもカリカはコントなんで、来年に期待です。やっぱり今回カリカコント+MEETSを見て、家城さんの作り出すお話が本当に大好きだなぁと実感。カリカを好きになった自分を褒めてあげたいくらい。オトメメンで+芸人、MEETSで+役者でこれからも続けてくれたら良いなぁ。

*1:多少、誤解が生じる気がするけど