林theキャット

林theキャット:カリカ
中尾theタイガー:ノンスモーキン中尾
菊池theシャーク:ノンスモーキン菊池
松尾theコンドル:ザ・パンチ松尾
浜崎theコブラザ・パンチ浜崎
平田theバンビ:平田敦子
押見theリンゴ:犬の心押見


家城theドッグ:カリカ家城
家城theおっぱい:犬の心池谷、オコチャ、エレベーターマンション大川


■OPコント
■ハッパを手に入れろ
■死女と生男
■DBvs・・・  OPvs・・・
■キャンプ中の事件
■いすのおそう式
■治
■EDコント

とにかく素晴らしかったんです。見終えた後に「・・・はぁぁ凄かった」と思わず口に出してしまうほど。去年1年間MEETS以外でコントを見れなかった分、期待も大きいはずなのにそれをゆうに上回ってしまう家城作品の素晴らしさ。感動です。
つらつらと感想を、長いです。独り言のようです。すみません。


OPのコントからものすごいキャットの世界に一気に連れていってもらえるんですよ。6人そろった時点で、すでにこっちもキャットに逢いたくなるんです。だから鈴の音にわくわくもするし、うるさいタイガーに苦笑もしちゃうし。そんなわくわくの後のあのキャットの出で立ち。ずるいでしょう、スーツに鈴は。動くたびにカランコロン鳴って。個人的にここでのシャークとキャットのやり取りが凄く好きでして。みんなキャットが帰ってきて嬉しいんですよ、タイガーも子供のようにはしゃぐんだけどこの二人だけは、仲間という感じを超えて、「兄と弟」「父と子」のような気がして。愛情表現もシャークは毛づくろいですもの。そんな微笑ましいところからのあの惨劇(笑)この展開がとても大好きでした。特にピストル出てきてから。


『ハッパを手に入れろ』
これは前半ずるいのオンパレードなので笑いっぱなし。林さんにグリーンのタンクトップはなんであんなに卑怯なほど笑えるんでしょうね。その上でのあのダンス。ぶれないオカマ。そして普通にちゃんとクラブっぽい浜崎さんと押見さん。ぎこちない松尾さん。そんな中へのあの二人の登場はガラッと空気を換えますね。最後まで見て初めて納得する、平田さんのあの起伏の激しい芝居。その空気に負けてない、ザ・浪人生っぽい菊池さん。惚れ惚れするほどの芝居。そして何より、完璧なポリリズム


『死女と生男』
このコントの笑いを担う部分って、たぶん歌い上げられた「シャボン玉」だけだと思うんです。これ凄く好きでした。このユニット内でもあの3人だから作り上げられるあの濃密な空間。そしてあの脚本。人間の出来れば隠したい、見たくないと思って生きている本心、本音、感情をえぐるように露呈させて目の当たりにさせられるこのなんともいえない気持ち。一見悲しく見える結末も、本当は幸せだったんじゃないかとも。考えれば考えるほどに本当に二人の幸せだったのだろうかと想いはぐるぐると反芻を繰り返す。見終えた後に切なさと安堵感が入り混じるかんじ。このコント*1では、演じる押見氏の素晴らしさ、凄みが感じられて幸せ。


『DBvs・・・  OPvs・・・』
キャラ祭りだ!菊池チョッパーが皮膚掴まれる辺りからもうたまらない。そしてこの前のあの濃密な空気からの、若干ゆるーりとした世界観。なによりもエヴァの最強具合。


『キャンプ中の事件』
冒頭のブートキャンプのくだらない中の無駄なクオリティの高さ。そして目に嬉しいスーツ男子達。エクササイズ中のあの笑顔。全部が楽しい。なのにこの後の惨劇との落差が。バンビの、1度欲望を溢れさせてからのエグさ。目が怖い・・・。でもだんだんとバンビが不憫に思えてくるほかのメンバーの非情さですよ。このコント中のノンスモーキンの2人のものすごい幼さが、母性をぎゅんぎゅんさせられまして。特にシャークの「付き合ってない人と、エッチしちゃいけないんだよ」の言い方が、もうなんて可愛いのぉーって「そっかー、そうだよなぁ」って頭くしゃくしゃに撫でてあげたくなるほど。だからこその自殺の理由も、方法もがしっくりと来るわけで。コブラが「お前はバカだから、いろいろ良くわかんないでやっちゃえるよね」って言われ続けて、舌を噛み切っちゃうまでの感情がぐちゃぐちゃになっちゃってんだろうな、でバカなりに考えた上で「嫌だー!」ってなっていく過程が凄く伝わってきて、やっぱり浜崎さんの演技はいいなと感じたり。コンドルの泣くさまは心底嫌だって感じが好きだったんですが、それより引っかかってしまった点が。コンドルが「自分で処理してください」とバイブをバンビに持ってくる時のあの「見てはいけないものを見た」感は何なんでしょう。林さんとかが持ってても違和感ないのに、松尾さんにバイブはミスマッチだ。地味にバンビがバイブを投げ捨てたときに「俺のなのに・・・」とつぶやいているキャットに笑った。暗転後、ことを済ませたリンゴのなんとも言いがたい苦々しい表情も良かったなぁ。見てしまった感ありありのタイガー含めて。


『いすのおそう式』*2
今回一番見てていろいろ考えた話でした。平田さんの真骨頂ですよね。5歳児に見えるのに、とても素敵な言葉をつむいでもそれが違和感を感じない。逆に子供ながらの純真な言葉に聞こえる。『まずは自分を信じてあげよう』この言葉心にぐさりときました。家城さんの操る言葉って、たまに急激にストレートでびっくりするほど直に感情を揺さぶってくるので油断ならないです。ちょっと落ちているときなら号泣しかねない感じ。2回見ると、親子の会話にヒントがあるようなないような。見れば見るほど、疑問が解決しては、また新たな疑問が湧く感じ。こういうのわくわくします。(追記)このコントの冒頭の中尾巡査のやり取りがとても好きだった。間違った生真面目さ。「不安になったら、壁のしみを数えてみてください」なぜか怖かった。


『治』
ごちゃっとしたこの感じも好きです。あっちこっちでいろんなドラマっていうかストリーが生まれて、絡まって、またそこから派生していく感じ。家城さんのトーク等で出てくるフレーズが形になったものを見た気もします。砂糖水でアリに運んでもらうとか、魔方陣だとか。林&中尾親子がとても微笑ましくて。父の「まだ仕事中だから、この手を離しちゃダメだよ」(ニュアンスです)って台詞が心にぐさっと刺さりました。


EDコント、カリカっぽい「え、いつ終わりなの?」なコント。トークしているかと思いきや、毒殺されて。そんな死に際なのにキャットはドSな感じで無茶ぶるし。全員をキャットが殺して、金をあさっているときにふわっと「まだそんなことやってんの?」って家城さんが来た瞬間ぞわぞわっとしました。空気がカリカってなって。この一瞬の感情で「ああ、やっぱり『カリカ』がすきなんだ」って実感したりも。


こんな濃密なコントの合間に、まだ家城theドッグが挟まれるんですからね。幕間転換でおっと思ったのは大川さんのできる感じ。オーバーなんだけれども、表情とかしぐさとかは良いんですよね。DJの普通に格好良い感じとか。オコチャはオコチャ。近頃の「みんなのオコチャ」風はいいっすね。需要と供給のアンバランス加減が0:10なのが(笑)池谷さんはまさかの「死ねー!」で喉潰すなんて。奇跡なきらきらだ。あの長台詞、万全の喉で聞きたい。


本当家城さんの才能ってなぜあんなに湧いて出てくるんでしょう。もうお笑いというフィールドでは受け止められないというか、零れ落ちているというか。数年前に、1年にオトメメンを尋常じゃなく公演したときに感じた「この人はどこまで行ってしまうんだろう」というある種の畏怖を感じました。もっとカリカは認められるべきですよね。本当。もったいなすぎる。


とつらつらと書きました。本当に巧くまとまらないです。コントを見て、頭に体に心にインプットされた多数のワード、音楽、感情、言葉が心地よくて。出来ればこれをずっと自分の中にとどめておきたいんです。吐き出したくない気分なんです。でも、悲しいかな忘れてしまうので、今日この日にこんな素晴らしいものを自分は見たと、少しでもこの充実した気持ちを留めておきたくて書いたようなものなのです。あしからず。感じた気持ちや記憶を性格にアウトプットできるチップが欲しい。埋め込みたいね、体内に。
去年、漫才な1年だった分今年はコントを一杯見せてくれそうなカリカ。次はMEETSを期待して良いんでしょうか?期待は続きます。

*1:といって良いのかも疑問に感じるほど、濃密だった

*2:噂によると、このコントニブンノゴ!がやっていたとか。ニブンノゴ!に家城さんが提供したコントってことなんでしょうか?