神保町花月『難民先生』

脚本:江藤 美明
演出:白坂 英晃(はらぺこペンギン)
出演:
カリカ/Bコース/椿鬼奴/とっしー/ロシアンモンキー
トレンディエンジェル/ジャングルポケット
高平圭(劇団THEフォービーズ)/岡田亜矢(劇団THEフォービーズ
あらすじ(公式HP)
先生は教えてくれた、こんなダメな僕でも…
先生は教えてくれた、こんな弱い僕でも…
そして先生は教えてくれた、大切な人を守ることを。

ストーリーもさることながら、これだけキャストが多いのに誰一人無駄が無いのがよかったなぁと。
とにかく家城さんに尽きますね。これを見て、ああ私は本当に家城さんの演技がすきなんだなぁって再確認できました。周りのホームレスより俄然リアリティがあるのにノーメークな家城さん(笑)本当に演じてて、端々から他とは違うオーラを醸し出して、魅力的でした。だからこそ、林さん演じるディレクターが、瞬ちゃんに焦点を当てて取材をしようと思った感情の動きに違和感を感じないというか。教職を追われて、家族も全てなくしてしまい命を絶とうとこの公園に来て、でもマコちゃんたちに助けられた瞬間にそれまでの思いつめた表情が一転して泣きじゃくった瞬ちゃんをみて胸が締め付けられるようでした。ここは本当に良かったなぁ。そしてこれまでのことを、林さんに聞かせるときのあの熱さ。私はあの熱い芝居が本当に好きでして。たぶん他の芸人、役者だとちょっと引いちゃうと思うんですよ。でも家城さんだとリアルだから、台詞が台詞に聞こえないから引き込まれるって言うか。またここでの林さんがスカすところがたまらなくて。熱い台詞で涙腺が刺激されて、林さんで笑っちゃって涙がこぼれちゃうの繰り返し。あーやっぱり演じている家城さんは素敵だなぁ。
林さんは出ずっぱりで大変だったろうなーと。ずっと出ている中で、心境が変化するさまを見せるって大変だと思うんですよね。自然だったなぁ。初めはただのホームレス、公園から追い出されることに同情もして無いけど取材だからと思っていたのが、瞬ちゃんに出会って興味を持って、その後教師になれなかった自分、教師だった父親の姿に重ねていって。最後は瞬ちゃんには辛いかもしれないけれども、瞬ちゃんは絶対に教師であるべきだと説得するところは素敵でした。そして一番素敵だったのは、乱闘騒ぎのシーンで黒霧島の酒瓶片手に、低い位置からみんなのすねをピンポイントで狙っているところでしたけどね。あれは周りのごちゃごちゃと重心の低い体勢のバランスがなんとも楽しくて爆笑でした。
Bコース羽生さんとロシモン中須さんの天才と神様のホームレスは最強でしょう。もう出オチが1時間半続いているようなものですよ。いるだけで笑えるし、ロケ弁にがめつかったりでも瞬ちゃんを思う気持ちも素敵だったりで忙しい(笑)
ナベちゃんはまさかの一番のいい台詞を、感情込めすぎて最終的に何言っているかわからない始末がらしいですけど。タケトさんはもっとがっつりみたかったかな。
ロシモン川口さん、ジャングルポケットもそれぞれキャラが濃くてよかったです。特にジャングルポケットの斉藤さんは濃すぎ。あの奴姉の横で見劣りしないってどんだけなんですか!「姉御抱きたかったら、まず自分の考えを捨てることだ」ってなんだか深い・・・。トレンディエンジェルの2人もなかなかですね。特に斉藤さんはあんな頭皮なのにちゃんと子供に見えるんですよ。なんでなんでしょう。不思議。
日の出アパートでカリカ主役といえども、カリカ不足がはなはだしかったので今回はお2人の演技をがっつりと堪能できたので大満足です。でも次回こそ家城さんの作品でカリカ班を見たいなと思いました。