神保町花月「やけくそチェンジ」

脚本:鈴木 しげき
演出:小林 七緒(流山児★事務所)
出演:
ライス、LLR、ピクニック、少年感覚、新井直子、大塚友里衣、
ダブルバーボン、ジュエリー志織、たなみん 他
あらすじ(公式HP)
犯人を見つけても追いかけない。捕まえない。
出来ることなら関わりたくない。
そんな刑事がある日突然「捨て身」になった…なんで!?

奇跡のライス主演作品、千秋楽を見てきました。


まずは主役の関町さんですよね。巧いんですよね、本当。ひとつの物語の中での緩急の付け方が良いんですよ。前半の何があっても妹を残して死ぬわけには行かないと、ひたすら安全なところに身をおくんだ、と傍から見たらやる気が全く感じられない刑事のときは
そのやる気のなさにイライラさせられるし、笑っちゃうし。ヒーロー衣装のむちむち加減はもうおかしくて仕方ないし。本当むちむち。でも一転病気で幾ばくもない命とわかった瞬間からのやけくそ加減は、ちょっと怖いくらい。ナイフに向かっていくところとかの目つきがついさっきまでと全く違うんですよね。こういうところが巧いんだよねと感心。そして妹ちゃんとのやり取りは、若干キモイんですけど(笑)でも微笑ましく可愛らしい。


田所さんも良かったです。いつもと違う雰囲気で。前半ほぼ台詞がなかったので、それはそれでいいぞ、いいんじゃないか!って思いました。ピクニック演じる若者から、身包みはがして逃走を試みるところは、目つきが尋常じゃない(笑)ピク兄もエンディングで行ってましたが鬼気迫りすぎてました。いろんな方面から追い込みを掛けられて、だんだん正常な判断が出来なくなるほど追い詰められている感じが、抜群でした。


一方LLRは心底楽しそうだったなぁ。遊びが多かったし。特に福田さん。個人的にはあのワンテンポあけての「確保―!!!」は2度とも笑った、笑った。あの表情と、タイミングと声の高さが相まって。あと妹ちゃんに向けての口説き文句。劇中では、みんな同じくどき文句を使うんだけど言う人によってこうも印象が代わるものですかね。基本全員が面白にしか聞こえないんですけどね(笑)特に伊藤ちゃんは笑わせてもらいました。口説きまでもっちゃりしてる。福田さんのシーンで個人的にふわーって思ったのが、撃たれた後の無駄に綺麗な倒れ方。ここ、好きです。


ピクニックはいつもに比べたら若干抑え目。ピク兄の演技がとっても好きな私としては若干の物足りなさは否めなかったけれども、それでも関町さんとの屋上でのやり取りでの「お前は死ぬなよ」の言い方がとても胸に響いて、やっぱりいいなぁと。


2度目の大塚さん。本当かわいらしい。物語の終わり、舞台袖から福田さんめがけて飛んでくるのがきゅんきゅんするほど可愛らしかった。でエンドトークで披露していた、アホな兄さん方との三文芝居。関町&ピクニックがテンション上げる為にお願いしたくなるのもわかるなーと。むっちゃリアル(笑)
後は少年感覚の、刑事役の方は13期生とは思えない貫禄で驚いた。神保町で活躍しそうだな。


というわけで、やっとこさライスのがっつり芝居が見れて大満足だった「やけくそチェンジ」でした。