神保町花月『宇宙でクロール』

脚本:冨田雄大(オコチャ)
演出:杉田 鮎味(劇26.25団)
出演:
ライス/ラフ・コントロール/5GAP/デッカチャン
神崎友里/佐野夏芽メタルボックス
あらすじ(公式HP より):
男は聞いた
「生きるってなんだ?」
男は答えた
「ドキドキする事だ」
男は思った
「じゃあ、俺は死んでるわ」


今回で4作目、今まではずれがないオコチャ先生の作品にライスが出演ということで見に行ってきました。お話としてはちょっと前半が長く感じてしまったのが残念でしたが、主人公の2人が「宇宙に行くんだ!」と決め手からの展開が本当に素敵なお話で面白かったです。劇中では明らかにされず、ぼんやりとした感じのままでしたがやっぱり関町さん演じる男は田所さん演じる青年のおじいちゃんだったんでしょうかね。
関町さんは不老不死で、見た目は20代なんだけれども本当は90歳を超えていてもう生きる意味を失ってしまった人を演じてたんですが、もうねお肌のピチピチさがなんか死ねない・終わりがない見えないから全てを諦めている人とのギャップをますます大きくしてて悲しい感じが増してよかったです。しかし何度聞いても関町さんが激昂した際の声は良い声ですよね。場がきゅっと引き締まる感じで。
田所さんはこれまでの神保町で一番台詞が多いと聞いていたので、活舌に難有なんで心配でしたがそんなの吹っ飛ぶくらいでした。鼓動がある一定数を超えると死んでしまう病に侵されながらも、今を精一杯楽しく生きよう・ドキドキして生きようとする青年がはまってました。幼馴染を抱きしめながら「思い切り振ってやる」って台詞は本当にじーんと胸を打つものがあって涙が止まらなかったです。ちょっと格好良く見えましたもの。
ラフコンは重さんがやりすぎたー。それが本当に残念。真面目に演じるシーンは本当にお上手だから見応えあるんだけど、一旦ふざけ始めたら長い!疲れちゃって困りました。重さんだけは主演だけ見たい!森木さんはやっぱり良いですよね。今回は天才の役。天才が行き過ぎておかしな感じなんで森木さんにぴったり(失礼)端々に上手さが見えるからラフコンは主演でがっつり見たくなるんだよねー。
なつみんは最初本当演技が苦手な感じだなと思ったんですが、キャラがどんって前に出てからは本当面白くって良かったです。ペアでデッカサンがまた上手いから。威嚇する感じも、照れる感じも全部上手い。本当デッカサンの演技で何度も場がきゅっと締まった気がします。
あと5GAPも特に久保田さんが良かったな。どこって言うんじゃなくて、台詞がないときの何気ない演技が本当に自然でかつ上手で。兄貴はハゲの進行具合に気を取られてそれどこじゃない(笑)
さすがのオコチャ先生。このまま座付き作家になって2ヶ月に1度くらいは先生の作品が見られたら良いのになって思います。