神保町花月『UNSUNG HEROES-謳われることのない英雄たち-』

脚本:丸山 智子
演出:湊 裕美子
出演:
佐久間一行/POISON GIRL BAND/武内由紀子/ピース
ライス/渡辺直美/フレンチブルドック・島居/TOKYO無鉄砲・嶋田

もともとは見に行く予定ではなかったのですが、友達にチケットを譲っていただいたので見に行ってきました。初めて「ハッピー〜」を見てからもう2年何ですね。神保町が開館したおかげでどんどん劇場に足を運ぶ機会が多くなり、神保町マジックとも言えるひと公演毎に好きな芸人さんが増えるという困った事態にもなりました。ここ最近はやっと作家・演出家の合う合わないも分かってきて取捨選択が出来てきましたけれどもそれでも2周年の記念公演がこのコンビなんだというがっかり感は否めませんね。公演を見てやっぱり残念だなと思った作・演出でした。
でもでも演者はさすが2周年と言える布陣でした。演者の出来で満足感を得たも同然です。主演はさっくんですかね。さっくんは良い人過ぎる&恋愛のイメージが湧かないので恋愛モノをやられるとこそばゆくなっちゃうんですよね。良い役なのに、わしゃっとする。武内さんは前半の衣装が田舎設定だとしてもどうよと思ったので、後半若干の改善があってよかった。一緒に見たお友達と「これって現代の話じゃないよね」なんて笑ってたんですが、この服装のセンスもこの気持ちに繋がる一因だったんだな。
吉田&又吉ペアの双子ちゃんがたまらなく良かったです。最初「さすが双子だよな」的台詞を聞いたときは驚愕&爆笑だったのですが、お話が進むほど双子以外の何者でもなく感じてしまうこの二人の空気感のシンクロ度が素晴らしかったなと。こりゃもてないさと思いながらも、いいなーと思ってしまう自分もいたりして。お互いがお互いをちゃんと見てたよというシーンがとても好きでした。そしてビジュアル的には最後の神父の衣装がとても好きでした。
田所さんは良い意味で気持ち悪くてよかったです。居そうで居なそうな溺愛パパ振りが何
でか板についててどうしてくれようかと思いました。個人的に田所さんの泣きの演技が好きなんで、正体がばれた際の謝罪のシーンが結構印象的です。
直美ちゃんと関町さんのカップルはただただ可愛らしかった。直美ちゃんは声が本当に良いですよね。声のよさで演技もますます磨きがかかる感じでよかったです。昔はアイドルとして第一線で活躍してたといわれて、すっとその状況を納得できる存在感はさすがの一言。関町さんとのコントラストも良かったなー。関町さんといえばなんであんなにも腹を殴られるのが似合うんでしょうか(笑。そして関町さんの声によって発せられる「愛の言葉」は、シュール班での「愛している」と同様結構心に響きます。ああ、声が良いって本当に武器だなー。
阿部ちゃんはずるかったのひと言で片付けるには勿体無いです。前半の田舎の工場での、怖いながらもその中にとても優しさを秘めている工場長が良かったです。ぶっきらぼうに、不器用に人を助ける優しさが綾部さん演じるチャッキーの言葉の端々から感じられて良かったなー。だからこその後半のオカマちゃんが映えるわけで。
チャッキーですよ!チャッキー。なんなんですか?ピース綾部という人の完璧さって!!そりゃ某ライブで「綾部さんは人間5回目」って言われますよ。前半の片言の中国人の役で、「また神保町も2周年攻めてきたな」と思ったんですが、後半の完璧な日本語。これが工場時代での工場長の優しさを裏付ける伏線になっているんだからたまらないですよ。
ひさびさだったケンイチ・リュウイチの歌。やっぱりこの2人の作る曲は秀逸ですね。エンディングでさっくんの曲をアンコールとして歌ってましたが、ケンイチ・リュウイチの曲ももう一回聴きたかったなー。
なんだかんだでつらつら感想書いちゃいましたけど、やっぱり内容はなかったことにして演者バンザイ!!ってことで。