神保町花月『君の瞳がまぶしくて』

夜中にまったりとおしゃべりするライブで目下活動中の東京大吾組班の公演です。EDトークでは散々「騙されるほうが悪い」だの「来週のチケット、キャンセルするなら今のうちですよ」だの仰ってましたし、確かに吉田さんの言うとおり90分のロングコントでしたが、私個人としてはかなり大笑いさせてもらい楽しかったです。

神保町花月公演では初の試みじゃないですか?まさかの2本立て(笑)表題の『君の瞳がまぶしくて』はなんと前半の15分で終演。まあこの15分間が、演技も台詞も演出も全てがむずむず、こそばゆいことこの上なかったので終演ですとなったときは大笑いと共に良かったーっと安堵したことは内緒です。でもちゃんとこの15分間で主キャラクターはお披露目できたし*1、何より伊藤さんですよ。本当伊藤さん、大好きです。アンケートにも大吾組の面々すっとばして伊藤さんばっか褒めちゃいました。5人全員が恋に落ちるシーンのあの仕草。きゃはははって笑って、スカートふわり+くるくるターンが似合う女優は伊藤さん以外に居ないです。大星さんも男勝りな委員長でありながら、恋心を見え隠れさせた行動とストレートな嫉妬心と乙女心を覗かせてて可愛らしかったです。本当この女優さん2人が居なかったらと思うと・・・(笑)
さて問題の『超能力大学Z』ですよ。もうスクリーンでこのタイトル出たときにひっくり返るかと思いました。ワクワクが止まらなかったです。ここからようやく大吾組らしさというか、良いところも悪いところも出た演目になったんではと。ロフトプラスワンでよく見られる光景がやノリがちらちらあったりで、この公演を「東京大吾組」名義でうってる意義を感じられたというか。振られたときの吉田さんのアレなリアクションとか、女の子に迫られて照れながらイキる感じとか、大さんと福田さんのバチバチとか。みんなにもたらされた超能力がアホなのに吉田さんの能力だけはガチだったりとか。真栄田さんの能力で、パンを次々と出すシーンがあって、その流れでむき出しのコッペパンを渡された福田さんがパンの処理に困った挙句、ズボンの前ポッケにじかにねじ込む暴挙に出たのが面白すぎました。気になる!!マーガリンがにゅるって出たらどうするの!!パンつっこんでそ知らぬ顔で演技しないでください(笑)橘さんの能力が歌だったり、福田さんの能力が数字に強くなったりだのあて書きを超えた、そのままなキャラだったのも大吾組班というお祭りだったらありだなと。まぁ自分が大吾組に対して甘々なだけですが。
EDトークより、「1部:長澤  2部:吉田  3部:福田」という連作だったと判明。福田さんは自分のパートで自分をモテキャラにしたり、真栄田さんに喋っているイメージが湧かないと台詞を全部うめきにしたりと自由。相方はあんなに素敵な脚本書いたのに・・・。パート的に吉田さんが書いたのかと思いますが、ヒロインの伊藤さんが過去の恋愛について語るシーン。かなり重要なシーンで、伊藤さんの相手役を勤めているのが福田さんていうのもなんか良かったです。そうそう伊藤さんといえば、私は本当に伊藤さんの芝居が好きで好きで仕方ないみたいです。本当長編コントなのに、そんな中でも伊藤さんがみんなに手紙ひとつ残して実家に帰るというシーン。伊藤さんが吉田さんに宛てた「あなたに出会えて、良かったです」のひと言だけでちょっと涙出そうになりました。やっぱりこの女優さん、凄すぎます。その後の、吉田さんの告白に至るまでの優柔不断な感じは吉田さんのことなんも知らないけどなんかリアリティが感じられました。大吾組のメンバーは多分吉田さんをこう見ているんでしょうね。ま、心はオカマですから(笑)というか漂う童貞臭。
告白といえば、玉砕覚悟で告白に行くシーンもみんな個性が豊かで面白かったです。本気で気持ち悪い大さんとか、容赦ない福田さんの目隠しとか、橘さんの上手すぎて微妙な歌とか。また大さんの告白の台詞の中の何気ないひと言が、ラストに繋がるんですもの。ふざけてるだけかと思ったらこうだよ。ここの脚本誰だ!ずるい。ラストといえば、伊藤さんのキャラの変わりようも最高でした。あんな超絶可愛いお嬢さんが、子供が出来たら立派な大阪のオバちゃんなんだもん。
長澤さんが立て篭もり犯として登場したシーンのお客さんのキョトン具合も面白かったです。確かに唐突過ぎてだいぶキョトンだった。あとは大さんの大日本帝国空軍のTシャツとかもずるい。大さんは衣装から、小道具から、能力から、台詞から全てが全てずるいよ。ずるいといえば個人的に福田さんが眼鏡だわ、スーツだわ、途中から数字に強しだわでホクホクでした。眼福。
大さんの演出ももっとぶっ飛んだ感じになるのかと思いきや、良い意味で真面目。笑わすところはとことん笑いにして、見せるところはちゃんと見せる良い演出でした。選曲も???と思うところも、ベタだなーって笑っちゃうところもありでしたが・・・。ただラスト、どクライマックスのあの良いシーンでのあのテーマソング*2はそりゃ吉田さんも笑っちゃいますよ。演出家・佐藤大としてはその曲と「どひゃー」リアクションだけはマストらしいので仕方ないです。

ネットで評判を見ると賛否両論ぽいですね。でも私は楽しかったので、ありだと思います。メンツ的に演技力に期待!!って人も失礼ながら居ませんし、大吾組の通常ライブを見ても「かっちり作りこんだものをお見せする」スタンスでもないですからね。だって大吾組ですよってことです。

*1:しかし、3人の脚本家が「せーの」で分担して書いた為に、前半後半でキャラが崩壊する人多々あり。

*2:大さん曰く「その芝居のテーマソングとして、あの曲を選んだから。映画でもそうでしょう。ここぞって時にテーマソング流れるでしょう」