銀河系コント集団 村上タイガース第3回公演『スゲーゲス』

作・演出:ゴージャス村上
出演:
犬の心押見、ピクニック、ブロードキャスト房野、ジューシーズ児玉
少年少女坂口、チョコレートプラネット

今回も良質のコント。

OPコント:「スゲーゲス」(全員)
1:「ハイが多い」(押見、房野、児玉、長田)
2:「パンダ」(押見、ピクニック、房野、坂口、松尾)
3:「インディーズ」(押見、ピクニック、坂口、松尾)
4:「今はオーロラ!」(ピクニック、児玉、長田)
5:「躍動感」(房野、児玉、長田、松尾)
6:「水族館のジンクス」(全員)

やっぱりこのライブはマストで見たいライブです。今回は結構埋まってたなー。次回で最終回とのことで残念。ファイターズとの交流試合、見たいな。押見さんはどちらに?ってなるけど。

OPと「パンダ」は押見さんがないがしろにされる様が、ぴったりはまりすぎて困ります。OPでナチュラルに「100万円!」って呼ばれちゃう感じとか似合いすぎる。「パンダ」は毎回決まったフォーマット*1っちゃーそうなんだけど、毎回絶妙に押見さんの意見は通らないわ自然と押見さんの役割が残念な方向に行くわで、何度見たところで面白いものは面白いのだなと再確認できる秀逸なコントだと思う。後輩たちに囲まれ「ひろしー*2、ごろーん。」「ひろしー、鳴いて。」「ひろしー、ごろんてしてから鳴いて。」って言われるがままの押見さんが良いです。坂口さんが「ちんちん(パンダの名前候補)」って連呼しても、いやらしくないって才能だなー。
「ハイが多い」は返事を我慢する面子が全員違うベクトルで耐え抜く様が素敵でした。押見さんの体をゆっくーり掻き毟るのも、息も絶え絶えもはや新種の金魚のような長田さんも、ただただ吐息が漏れちゃってる児玉さんも全員ヤバい感じがひしひし。それを取りまとめるリーダーが、ザ・普通な房野さんだからヤバさが際立つ(笑)んです。
「インディーズ」は松尾さんを堪能するコント。『いらっしゃいませ』の声のトーンと笑顔で、一目で胡散臭い通り越してダメな感じが醸されてる。その子供が坂口さんって言うのがなんかリアル(笑)ラスト1分くらいは、松尾ボイスの猫の鳴き声を堪能する時間(笑)
「今はオーロラ!」演技ウマな面子での、くそくだらねぇコントは贅沢です。オーロラ見た感動と、初めて女の裸を見たときの感動の度合いを言い合うだけなコントなのに!(笑)なんでこんなにドラマチックに出来るんだ。裸の女を頭に描く長田さんの表情が完璧すぎて笑いが止まらん。『女の裸への扉』って何?ですよ。ピクニックの泣きのコント演技が大好きなんですが、今回はそこからのメンチ切るオプションまで付いていてありがたいです。
「躍動感」これ、稽古楽しかっただろうなーってコント。曲をかけたら自然と体がリズムを取って、躍動感あふれるダンスをひたすら踊るってなんだこれ?ってコンセプトなんだけど、ダンサー(児玉・長田・松尾)が三者三様で目が散る!目が散る!久々に見た児玉ダンスは、クネクネ加減よりも目のばっきばき加減が度を越してて恐怖でした。でもってここでもいいアクセントの、曲をかけてしまった張本人の房野さん。踊るわけでもなく、ただ3人のダンスを見る唖然とした顔!本当、房野さんがこのユニットに参加している意義をひしひしと感じる今回のタイガース公演。
「水族館のジンクス」毎回ラストのコントは長尺で、いい話?なものが多いのですけど、今回もたがわず。長田さんのずっと坂口さんに思いを寄せてたんです演技が完璧すぎて、甘酸っぱいはずなのになんでこんなに面白いんだ!そんな甘酸っぱの横で、「うん、いいよ。俺、付きあうよ。」とふわっふわに軽い男な押見さんが良いです。ま、一番の名台詞はサバをこよなく愛する男・松尾が坂口さんに一目ぼれしての一言。松尾「君は・・・サバ?」坂口「いいえ、人間。」なんだこのやりとり(笑)


正直前半は、これまでのタイガースと比べたら弱いかも・・・なんて思ってましたが、天才コント作家の村上さんですものそんなわけ無かったです。オーロラのコントあたりから、良い意味で不穏な空気に(笑)躍動感で全部持ってかれました。躍動感のとき、呼吸がおかしくなるほど笑ったー。なんで踊ってるだけなのにあんなにおもろいんだ、あの3人は。でもってあの中で、思いのほか普通でいられる房野さんってなんなの?本当、このユニットはバランスが絶妙なんだなって見るたびに感じます。全員おかしくてもダメで、でも普通を担う房野さんも「パンダ」みたいなコントのときは全のっかりして発言気が狂っているっていうか。坂口さんの絶妙な女子度もいいんだろうな。次回の「村上タイガースは2度死ぬ」で最終公演なのが本当に残念です。またくっだらないコント見せてくれるんだろうなー。今から楽しみで仕方ないです。

*1:前回で言ったら「はしの」

*2:パンダに名づけられた名前