銀河系コント集団 村上タイガース最終公演『村上タイガースは2度死ぬ』

作・演出:ゴージャス村上
出演:
犬の心押見/ピクニック/ブロードキャスト房野/ジューシーズ児玉
少年少女坂口/チョコレートプラネット

最終公演、寂しいです。

OPコント「2度死ぬ?」(全員)
1:一個前(押見、ピクニック、房野、坂口)
2:メガネホラー(押見、房野、坂口、長田、松尾)
3:森ながのアイス(押見、児玉、坂口、長田、松尾)
4:いく前にいく(ピクニック、児玉、長田)
5:ある劇団のお話(全員)

先に書くと、今回が最終公演と謳ってますが「村上タイガースは2度死ぬ」ということで、今回は1回目の死。年末までに2度目の死である、総集編がみられるそうです。これ、本当に嬉しいお知らせ。これを聞いた時の自分のテンションの上がり方が半端じゃなくて、あー思っている以上に私はこのユニットが好きなんだなと再確認。村上さんがどのコントを総集編として持ってくるのかも楽しみの一つだったりします。
OPから好きだったなー。押見さんのオロオロ加減もいいのだけど、各々個性ある含み笑いがたまらない上に、個人的にあー房野さんの声がいいなーと再確認をしてみたり。児玉さんだけが、「あ、これ死ぬ」ってなった瞬間に気持ち悪くなる(褒)感じが絶妙だなって。
「1個前」は表情が絶妙。真っ当なことを言う押見さんの発言に対しての驚愕顔が素晴らしすぎました。本当素直になんで??ってなってる素直すぎる表情がまた(笑)これまで結構普通な役どころが多かった房野さんのアホ顔が、思っている以上にアホでよかったです。押見さんにがーっと言われすぎて、いーってなって頭かきむしる姿が見た目にやばすぎて、本当このユニットのメンバーはこういうのがうまいなーって。
「メガネホラー」これ、本当バカバカしいコントで大好きでした。長田さんのどんどん悪い方に想像を膨らましていくところからの、まさに世にも奇妙な物語的お話で。でもその内容がメガネって!みたいな。エンディングで「あんなにウケるとは」と長田さん自身もおっしゃってましたが、こっちとしてもなんで長田さんの肩にメガネがを引っ掛けただけであんなに面白かったのかがわかりません!!(笑)もう演技ウマの妙としか言い様がない・・・。長田「かゆい・・・メガネアレルギーが!!」とかなんか無性に面白かったんだよ。
「森ながのアイス」の親子は、あれ?前回のフリーペットショップの親子?ってデジャブ感漂う感じが、またこの組み合わせで見たかったので嬉しい。なんで父・松尾、子・坂口ペアはあんなにも心をざわざわさせるパンチ力を持っているのでしょうね。松尾「にっこり父ちゃんだ」というセリフに反比例な感情を抱かせるあの笑顔は天性。普段の松尾さんの笑顔って愛嬌とはこのことだ!って程の代物だのに、なんでこの時はこんなに負のオーラをまとわせるんだろうな。そして長田&児玉両氏の死に様のリアル加減がただのゴキブリでした。ウマはゴキブリにすらなれるんですね。
「いく前にいく」はタイガースのなかで一番好きな組み合わせの3人のコントなんでワクワクしますね。しかも上手い3人のセリフのほとんどがゲスいっていう。1回目の「愛についての考察」そして前回の「オーロラ」、どれもこれも上手いからこそ本気で気持ち悪いのがたまらないです。タイガースを見るまでは全くそんなイメージのなかった長田さんとピクニックに、完全に変態のイメージが付く感じ(笑)三者三様のまっすぐな目にやられますね。毎回この3人は自分の気持に正直なだけなんで(笑)今回の一番の名台詞は、長田「冴羽獠のおでましだ!!」でしょうね。
「ある劇団のお話」児玉さんが手本として見せる、下手すぎる演技がキャッツドキュメントの時の芝居でいつ「猫でーす」っていうかドキドキしました(嘘ですけど)あと、忍者の動きの自主トレはずるいのヒトコトでしたね。あの野良犬顔前回で忍者の動きは笑うでしょ。真剣なんだもん(笑)先ほどのコントに次ぐ名台詞として「血管が破れたのか?そうか!血が出ている」を挙げたいと思います。最後のコントも毎回、なんとなく役柄的なものが固定化してるんだけど、やっぱり全員がウマいためにストレスも、物足りなさも感じないのは素晴らしいなと。いつもこそこそ動いて、全体を引っ掻き回してる役柄の房野さんの「上から水かけるんだよ(キリッ)ひゃーひゃー言うんだよ。」の『ひゃーひゃー』に心を掴まれたことをここに懺悔します。


タイガースのコントってある程度雛形あるなって感じる時が多かったんですが*1、今回はこれまでの3回の公演にはなかったアプローチのコントがあって新鮮だったなと。特に超くだらないメガネホラーが大好きでした。なんであんなにメガネを怖がる長田さんが面白いんだ。見てる瞬間はヒーヒー言いながら笑っていたのに、ふと想い出すと面白かったには面白かったんだよねーって感じなのがタイガースなのかなと。次回の総集編は本当に何を見せてもらえるんだろうと、楽しみで仕方ないです。願わくば、躍動感を再び。

*1:別にそれが嫌ってことでもなく、それでもちゃんと満足いくほど面白いので。