カリカ単独ライブ『魔王コント』

去年の単独ライブが素晴らしかったカリカ。そんなカリカの単独をまた今年も見られるという喜び。毎度の事ながら心躍らされるこの文。

さあ〜全国にちらばりし数少ないカリカフリーク達よ!友達をライブに誘えないとアンケートに嘆くゴキゲンなカリカマニアよ!なんでカリカカリカって誰?と言われ続けた変態カリカファンよ!年に1度だけ皆様に「カリカ派で良かった!」と優越感を与えられる日がやってまいりました!!さあ〜この週末だけは迫害されている日々を忘れてニヤニヤしてくだされ!!!カリカ家城ブログより)

さあ。1年に1度カリカを好きで本当に良かったと思える2日間がやってきました。思いのまま書いてますし、脱線もしてます。とにかく長いです。すみません。
(注:以下コントタイトル、ネタバレありです。お気をつけください。)

オープニングVTR
第1章 スラム区
VTR カリカと師匠
第2章 手に入れろ!タイガーバーム
第3章 もがき
第4章 願い事
第5章 伝説の剣 カリカ
第6章 まだ死ぬわけにはいかない
エンドロール
休憩
漫才
林の部屋
バース不動産
VTR タイガーバームパークINシンガポール
お下品婦人
第846章 初めての魔王の部屋
第884章 あなたは魔王を殺せますか?
エンドロール


1回目を見たとき、前半で「しゃべるコント」よりも観客側に寄せたライブになったのかな、優しいライブ構成だなと思いRPGのような魔王の世界を楽しみながらカリカの後をひょこひょこ付いて歩いて、漫才やコントで楽しませてくれてありがとう!なんて思ってたら、「お下品婦人」で急に胸をどーんって押されて魔王の混沌とした世界にほおりこまれてしまった感じでした。もうそこからはおいてかれないように、突き放されないように必死でしがみついていった気分。1回目はそんなだったので、終わった瞬間からもう1度見たい!色々絶対見逃している!って感情が沸々としちゃう感じ。でも『カリカの単独なんだから、取りこぼしなんかしないぞ!』って構えずに見たっていうのもいい体験だったなって思います。2回目でも見れば見るほど新しい発見があったり、新たに心にわきあがる感情があったりでそれまた感動で。見れば見るほど「もう1度!」って思うコントを作りあげるカリカってなんなんだろう。今回なんてテーマは「魔王」の1つ。とてもシンプルなのに、何?なんなの?この充実感は。
去年もなんだけどこの時期にカリカの単独を見て思うのが、この後に見るであろう若手単独を楽しめるのであろうか?ってこと。でも思った瞬間に「単独」の捉え方が違うのだから別物なんだっていう結論にいたるところまで一緒。家城さんが何かで仰ってたと思うけど、カリカの単独って単独やったからってテレビ用のオーディション的ポジションでもないし、今後の劇場出番用のネタを作っているわけではないと。カリカ、というか家城さんにとっての単独ってその時その時に表現したいものを笑いという媒体を使って表現している。だから面白いんだろうな。今回もずっと魔王と向き合って、魔王とはって考えて考えて出てきたものを林さんと二人で具現化する。この家城さんの頭の中を、ネクタイを結び目から色を変えるほど汗をかき、全力で受け止め、きっちりと具現化できる林さんのプレイヤーとしての能力の高さにもやはり惚れ惚れしてしまうのです。「魔王コント」を見終えて、少しは家城さんの思う魔王を共有できたかな?今後トークライブや「私と魔王」で、補足してもらえることを楽しみにしたいと思います。
以下各章ごとの感想も書きたいなと思いますが、思い返すとやはりカリカが二人だけで舞台に立っているときのコントが何よりも好きなんだってことです。若手を使ってたり、カリカではおなじみのデッカサンやオコチャがいるコントもいいんだけど、やっぱり家城さんと林さんの2人だけががっつりぶつかりあっているコントのほうがどうしても好きなのはもうカリカファンとしては仕方ないことなんでしょうね。
最終日、エンドーロールが終わりご挨拶。カリカの二人が歌い、昨日までならそのままおしまい。でも拍手が鳴り止まなかった。一緒に見てた友達と「カリカでカーテンコールだよ」ってちょっとにやけたんですが、だって心から拍手をやめたくなかったんだもの。いいものを見せてもらった、この感動を、この感謝の気持ちをアンケートに書き連ねるのもいいけれども、もっと直接的にカリカの2人に届いて欲しい、いや届けさせて欲しいって気持ちを現わしたかったんですもの。こんなに拍手してて気持ちよかったのは久しぶり。そしてはけ際に思い出したように「多分、芸人辞めないと思います」と言い残した家城さん。格好良すぎましたよー。


<OPのVTR>
終わってみればオープニングではなくてあれこそ序章だったのだなと思えるVTR。ま、ちょいちょいはさまれるラッパーでニヤニヤさせられてましたけど、そこに繋がるんだ!っていう終わってからはっとさせられるものを挟み込むカリカが好きです。
<スラム区>林さんの溢れる貫禄がたまらないです。演歌流して、林さんが揺れる。止まってのドヤ顔。林さんのドヤ顔ほど面白いものはないですよ。あの乗せられて魔王討伐に行かざる得ない感じから、テンションがぐわっと上がりに上がる感じがたまらないのです。えいえいおー!がこれほど恐怖だったのは初体験(笑)
しかし今回のライブで驚きだったのは、オコチャさんと大塚山さんのシンクロ率。似すぎてきてる。あの2人の「あるよ」が本当に人ごとなのがにじみ出てるのがいいですね。
<OP映像>こちらが真のオープニングかしら?あの天使は前回のしゃべるコントでのお師匠さんだそう。しかしこの映像のカリカの二人の格好良さはずば抜けてましたね。特に家城さん。スクリーンからあふれ出さんばかりの色気。スーツ姿が素敵過ぎました。そして天使が絶命した後の、カリカ2人のあの微笑んだ表情が抜群に好きでした。残忍さに潜む色気がたまらないです。*1
<手に入れろ タイガーバーム>懐かしい!タイガーバーム。字面で思い起こされるあのつんとした臭い。でもって終演後に堪能できた(笑)ばばあの「3回まで」のアテレコが絶妙すぎた。ここでやっとカリカ2人でのコントに入るんだけど、この2人が舞台に立つときのしっくりくる感じがいいです。もうデコくっつけて説明をするとか、「映像も送ってくれたんで大丈夫」とか、田島さんによる無駄に格好いいナレーションとか、ナレーションに本当に無駄に挟まれる炙られたり炙られなかったりのサーモンとか。こういう脱線した部分を見ると、「あ、家城作品!」ってなりますね。トラと林さんのテンションの差がくっきりしてるのもいいなぁ。怠惰のトラの「今までが本性」ってひと言が好きだったりします。
<もがき>そして<願い事>もがきの集大成の行動があれという、ちょっとカリカ!!バットを持たせた理由はこれのためか(笑)って邪推したくなる。林景荘はこの時から、最後魔王の地位を継ぐその時までもがき、悩み、葛藤し通しだったんだなー。リッキーは年1回カリカ単独で見る感じになりそうですね。あの心がない感じがとても無個性で、カリカの濃い世界を壊さないのでいいですよね。
<伝説の剣 カリカ>この章、好きでした。持ったものに「初期衝動を呼び起こさせる」伝説の剣にカリカを命名する家城さんのセンスが好きです。彼らにとってもカリカでの活動が初期衝動に値するって思っていいんですよね?みゆき王女が綺麗じゃないのに美しかった。*2「わらわを奪いに来い」だの「キスをして進ぜよう」という上から来るみゆき嬢も「お父様、ブスってなぁに?」の可愛らしいみゆき嬢も、それに本気で切れまくる林景荘も、頭を下げる国王も全てが魅力的で。あ、王様の従士をしてた芸人さん、まだ芸歴浅いだろうけど上手かったですね。みゆき嬢の「ファイト」を熱唱するあたりの表情も好きでしたが、やはり「糸」の「縦の糸は あなた 横の糸は 私」の時の色っぽさは目を見張るものがありました。待ちに待った剣を抜いてくれた男を前に、女性としての喜びに溢れたままその男に刺される。その時のみゆき嬢の表情もさることながら、指先の動きがとても色っぽくて切なかったです。
<まだ死ぬわけにはいかない>オコチャの「おあいこ」といいながら人を刺す様が悲しい。
家城さんのいろんな格好、表情にはなれたつもりだったのに。前回のMEETSでオムツも克服したのに(笑)水泳帽をきゅっと被った顔の爆発力には負けましたー。前でがっつり見たときも相当の衝撃だったですけど、若干引きで見た「1本の棒の上に立ってます」って時のあの絵面は凄いものがあって、にやけた顔が戻らなくて困りました。邪鬼のとにかく遊びたいんだって無邪気な様が好きでした。「ざわざわ・・・ざわざわ・・・」。最後の「ただ遊びたいだけだったのに。やっぱりマニュアル通りだよ。」と去る背中が悲しかったです。
<EDロール>と<休憩25秒>香川/照之への信頼(笑)12日と13日でダブルキャストにする、いらない細やかさ(笑)休憩のカウントダウンでまで遊ぶ、貪欲。
<漫才>久々の漫才。07年のM−1の3回戦以来のカリカ漫才。休憩あけて舞台上にサンパチがあったのを見たときの高揚感。カリカコント師ってわかっているけど、たまーにつまみたくなるんです。初回だけカリカの漫才のつかみをやってて、「上から読んでもカリカ、下から読んでもカリカ」でこんなに嬉しいとは。漫才からドナドナをはさんでのコント。初回、林さんの人間離れした汗の量でピストルがぶっ壊れたのは驚き。
<林の部屋>パンティをかぶり踊るコッセさんを殺す。漫才がここに繋がり、これがまた繋がっていく。不自然なようで自然なようで、予定なようで偶然のハプニングのようで。ずるいなー。
<バース不動産>「見られちゃいました?」っておどける様が、2度目からは笑えなくなる感じがいいです。全部、ぜーんぶ関わってるんだもん。もう目が足りない。実は等々力のキャラクターがとても好きです。ふわふわと情緒が不安定な感じ。「僕の部屋を借りたいという熱量が、僕を9人に見せている」と真顔で。リッキーの無な感じがたまらなく良かったです。珍しく林さんが先走るところがあったり。「牛を挿したってなんで知ってるんですか?」
タイガーバームパーク>パーク自体の異様さもさることながら、ナチュラルに突然のミステリーハンターになった家城さんにニヤニヤ。以前、携帯のお気に入りにミステリーハンターのブログをブックマークするほど好きってことを自爆した家城さんがミステリーハンターやってるってことでニヤニヤ。
<お下品婦人>一番好きだった。前回のピザばばあを彷彿としながらも、また違ったいやらしさを持ったお下品婦人。ワインをたしなみながら、ピンセットで小さいサラリーマンを食べるのが似合う。最初婦人が、かゆみの原因をつまんでは口に運ぶ様に、会場がざわついたのがカリカらしいなとにんまりしちゃいました。婦人との会話で、これまでの漫才もコントも全てが林景荘の話であるとわかるコント。人を殺し、苦悩し、葛藤し続けた結果強くなった林景荘。その成長を助け、見守ったお下品婦人。すべたが明らかになったその時、舞台上にあった黄色の布がバサッと落とされ魔王コントのセットに戻ったときの、あのゾクゾクするような、胸がきゅっとなるようなあの瞬間がたまらなかったです。一部が本当RPGみたいでたのしーだけでここまで見てきた自分を、ぶん殴られた気分。ここからは怒涛のようでした。こんなターニングポイントに、清水アキラ対決を持ってくるセンス。でもってこれを戦いと呼ぶセンス。やられる一方かと思ったら、林「返されたー!!」でなぜかぶわっと湧き上がったよくわからない感情があって自分の心の事ながらびっくりしました。なぜあの攻撃を返せたことで、あんなに感動したんだろう(笑)どんどん真っ赤になる婦人の口に対して、驚くさまでしかない林の攻撃(笑)なにより口をポンポンする様を、イスに座りワイン片手に笑みを浮かべながら見る林さんにはやられました。そして最後、「ずっと好きだった」「知ってたよ」の短い会話の後、両手を広げ愛する人からの殺意を全身で受け入れる婦人が美しくて仕方なかったのはもう見逃してください。婦人が本気で戦うと決めたときのコスチュームが全身網タイツだとわかった瞬間、ものすごくテンションが上がったことをここに懺悔します。だって本当に家城さんがこのコスするの好きなんですもの。
<846の章>魔王の素顔のOLさにニコニコしちゃうわけですが。「リンちゃん、殺しに来たの?」って切ないなぁ。ここで魔王の定義というか、存在意義を教えてもらえるのです。これまでは強く恐ろしくて、殺すことなんて出来ないと思っていた魔王。魔王とはを聞き、また「殺すことなんて出来ない」と思えてしまう魔王の意味。魔王がひとつひとつ「違うよ。魔王がいなかったら・・・」と諭し、林景荘の中の魔王というものが崩されていく様が痛かったです。
<884の章>伝説の剣を手に取り、「魔王を倒す」という初期衝動を思い出す。「戦争が始まったのなら、戦争を止めればいい」「必要悪などない。必要悪など許していたら、進化などないのだ!」と力強く声高に叫ぶ林さんは、見てて怖い程の圧力で圧倒されました。この圧倒的な存在感がこの後の展開に説得力が持ててよかったなと。初心に帰り、いざ魔王討伐と思った矢先に魔王は自害し、その後を継ぐものとして指名される。魔王の思いを受けとり、全てを受けようと叫ぶその瞬間は鳥肌が立つほどの神々しさがありました。その瞬間、林景荘は魔王であり、神である存在になりうる人だったです。最後、ラッパーにあっという間に殺されるものの、魔王は今後もおろかな人間の為に次々と生まれいずる存在なのでしょうね。


エンドロール後、おもむろに林さんが演歌を歌い家城さんがディスる。もうお腹一杯ですってって思いながら、クールダウンさせてもらいました。最初から最後まで、どこをとってもカリカカリカで大満足です。
冒頭で家城さんのブログの言葉を載せましたが、本当にカリカファンでよかったと思える2時間半でした。しかし1日、2日と時間がたってもたっても未だ頭の奥のほうがジンジンする感じが続いてます。こんなひと時がカリカファンであることを幸せをかみ締める時間だなって思います。


家城さんのブログによるともしかしたら今年はオトメメンがあるかも?とのこと。大好きだった乙女少年団。帰ってくるのですね。待ち焦がれていたものですもの、嬉しい以外の言葉が見つかりません。

*1:これ、ただの変態発言ですね・・・(笑)

*2:もはや家城さんの演じる女性に対しては、私の脳も目も何もかもが振り切れているのです。