カリカ家城とライス田所の創作発表会『ダンスフロア』

『観覧車〜捨てる・後天性特定音域過敏症〜』
ピクニック、シューレスジョー。かたつむり林/ライス田所

『殺し屋』
ふくろとじてつみち、セブンbyセブン玉城、ブレーメン関根、ハンマミーヤ一木/カリカ家城

出演者も内容もなにも公表されないまま、両先生への信頼だけで見に行ってきました。結果、先生達は裏切らないです。
オープニングはダンス。席の関係上袖でスタンバイする両先生が見えたのですが、なんでしょうね踊り始める瞬間の田所先生の滑稽さは。一応「ダンスホール」と銘打っているので踊った模様。しかしスタイルバランスというのは残酷です。家城先生が良すぎるという話もありますが・・・。
発表会に移る前に少々のトーク。先日終わったKOCの話を。審査員で参加してたカリカ。田所「しずるもね・・・。」家城さん曰く「1本目で『池田!!』ってなって、もっと池田が欲しくなったの。」田所「2本目は池田が足りなかったですか?」家城「足りなかったね。おじさん(監督)の格好で明転して、池田!って思ったけど、足りなかった・・・。」と。
さて、ここから本編。45分ずつのコントです。
どちらのコントも劇中劇というか、田所作品はオムニバスだったりでレポは難しいので感想だけ。
田所作品は、コントの世界と現実との間な感じが見ててワクワクしました。暗転したら田所さんがいたので驚きました。てっきり作家専業だと思ってたんで。田所班は全員が演技ウマなメンツなので本当安定感が半端じゃなかったです。シューレスさんはなんで座っているだけであんなに絵になるんでしょうかね。暗転してすぐ舞台上に広がる気まずい空気。席の都合で田所さんの表情が見えないのが残念でした。田所さんも上手いからどっちも見たかった。シューレスさんはあんなに哀愁漂ってるのに、後半急にスイッチが入って気持ち悪くなるところとか、切り替えが上手すぎて恐いくらいです。『捨てる』コントは林さんと。あの「この部屋に合わないな。捨てちゃおう!!」ってバリバリに狂気を含んでいるのにコチラに与える空気感は絶妙に軽く感じられる彼のノリが、林さんでしか許されないギリギリのラインなのがいいなって。ベストなキャスティング!嫁ちゃんを捨てなかった作家先生には偽善しか感じませんが(笑)『後天性特定音域過敏症』は演じる人が変わるとこんなに雰囲気が変わるのかと。関町さんが演じた役をピクニックさんが演じたんですが、どちらも演技は上手いんですよ。でも過敏に反応する声がピクニックさんの風貌と相まってあんなに卑猥になるもんかねと。関町さんの重厚で良い声質だとここまで下ネタに感じなかったですもの(笑)トイレのくだりなんて、ピクニックVerはただのエロコントでした。さすが「裸になったら女子小学生(シューレスジョー談)」なだけあります。ここまでのきっちり演じ上げたコントと、エピローグでのシューレスさんの振り切れた演技があったからこそラストの田所さんによって一気に現実に戻されるというか、密室と思われた場所を「ばりばりばりばりーーー」と破って且つ飛んで逃げるという非現実的茶番劇になり、「ずこー」ってオチが嫌味じゃないというか。ええ、単に先生が作るコントの世界が好きなだけですね。
そして始まる家城作品。ピンスポに黒スーツの家城さんの「大人のコントをお見せしましょう」という精一杯の格好付けが笑いを呼んでしまう現実。でもそんな笑いに紛れてきっちり家城ワールドに引き込まれてるこの事実。本当に家城さんは空気を自分側に引っ張るのが本当に上手いです。そこから始まる大人な感じの「殺し屋」なコント。コードネームを使い、格好いい・・・ていうかやりすぎ?なメンバーに耐え切れずストップかける。あれ、これコント?ドキュメント?(笑)ってふわふわさせられる感じ。一夜明けて、ドロドロに煮詰まったガチガチのキャラに身を包んで登場する出演者達。殺し屋に彦馬呂とバシタカにスター!スター?そして安西先生がそろうというカオス。そりゃ家城さんも「林と押見とノンスモ中尾のスケジュール、今から抑えられないかな」となります。このメンバーがガチでオールスター過ぎて笑いました。確かに家城コントでは最高で最強のメンツ!!見たい。この合間合間の家城さんの1人芝居が好きすぎて困ります。私、作品を産む家城さんも好きだけどやっぱり演じてる家城さんが大好きなんだなって再確認。しかしこんなカオスな中、1人細やかに丁寧にこれから展開される芝居の下積みをしてる一木さん。目が離せない。バシタカだったくせに!これどう収束させるの?家城さんはどこ着地点を見出してるの?とドキドキワクワクしていると、キロロが流れ玉城さんがモノマネをする。庇うようにネタをしだす一木。この流れがエンディングへの布石としては素敵過ぎて。明らかになる事実、そして切ない最後。もうやられたーですよ。カタルシスが素晴らしすぎる。しかもエンディングで、突然ヒロインの名前を間違えて言った一木→それにあわせた先輩たちという事実が判明して、スキル凄すぎる・・・とただただ感嘆。家城班は最初出演者が出てきた瞬間は、濃い・・・濃過ぎる!って思ったんですが、キャラは立ちに立ってるけれどもちゃんと演技も出来る人だから、結果とっても見ごたえある作品で大満足でした。

エンディングで作家を変えてやら、作家そのままで演者を変えて(田所先生拒否!)等々ありましたが、どっちもとっても見たいです。本当いろんなコント師のブレーンの方集めてやったらいいのにー。最後に同じくエンディングでの、家城「どっちもシュール5のメンバーは使わなかったんだね。」田所「そうですねー」の会話にニコニコ笑顔で主張する林大介(かたつむり・シュール5所属)に笑いました。大丈夫、あなたはれっきとしたシュール5メンバーです。